Fujifilm X-E5を購入してから二ヶ月経った筆者が、猫たちが気ままに暮らす田代島にX-E5とともに訪れました。
海風を受けながら歩き、路地を曲がるたびに現れる猫たちの表情をシャッターに収めるたび、このカメラが自然と生活に溶け込んでいくような感覚がありました。軽い、素早い、そして撮っていて気持ちがいい。出かけるときに無意識に手が伸びる、そんな相棒になりつつあります。
本記事では、FUJIFILM X-E5と一緒に田代島を旅した実体験をベースに、X-E5で撮る猫の表情・海辺の光・島の空気感を写真とともにお届けします。X-E5だからこそ撮れた瞬間など、猫スナップのリアルな魅力を存分に語っていきます。
FUJIFILM X-E5と歩く田代島

島の船着き場から歩き始めると、石畳と古い塀、波の音が混ざり合う独特の空気が広がっていました。X-E5はその場にある小さな色や光の揺らぎを丁寧に写してくれます。
持ち歩いていて気づくのは、やはり軽さがもたらす自由さです。もちろん他のフルサイズセンサーのカメラの方がより高精細な写真が撮れるかもしれませんが自分やカメラを始めたばかりの方にとっては物理的にも心理的にも重く感じてしまいます。
X-E5では重い機材をためらうことなく首にかけ、路地を覗き、猫を見つければすっとカメラを構える。それがそのまま撮影の量と質に直結しました。島の狭い路地や家の軒先、漁港に寝そべる猫など、被写体が身近に感じられるのはカメラが「持ちやすい」ことの恩恵です。
朝の光は柔らかく、午後の斜光はコントラストを生み出します。X-E5のフィルムライクなトーンは、どちらの時間帯でも島の情景に馴染み、見たままの空気感を写真に残します。歩きながら撮る、止まってじっと待つ、そうした撮影リズムを邪魔しないレスポンスと操作感が、旅先での心地よさを生み出してくれました。
X-E5が旅カメラとして優れている理由

X-E5は単に高画質というだけでなく、撮影体験そのものが心地よくなる設計が魅力です。物理ダイヤルの操作感は撮影テンポを作り、素早い設定変更が自然に行えます。首から下げている状態で片手で絞りやシャッタースピードに触れられることで、シャッターチャンスに対する反応速度が上がりました。さらにJPEGの仕上がりが現場で満足できるレベルにあるため、撮ってすぐに確認して次の一枚に移るというリズムが速くなり、旅の記録作りがスムーズに進みます。
島の空気とX-E5のフィルムライクな描写

田代島の海風や街の静かな空気、猫の毛並みの微かな色差。これらを写真として「空気ごと」残すには色の階調と中間調の豊かさが必要です。X-E5のフィルムシミュレーションはその点で有利に働きます。色を過度に派手にすることなく質感を残し、海辺の青は透明感を保ち、夕方の赤みはしっとりとした温度に収まり、猫の被毛は滑らかなグラデーションで再現されます。結果として見返したときに、その場の記憶が蘇る写真になりました。
歩くたびに撮りたくなる「軽さと解放感」

重さのないカメラは撮影に対する心理的障壁を下げます。X-E5はまさにその領域にあり、肩にかけて長時間歩いても疲れにくく、ふとした瞬間に素早く構えられるため、意識せずシャッターを切る回数が増えます。増えた枚数の中から良い瞬間が見つかる。そうした循環が旅の楽しさを大きく後押しします。
猫スナップに強いX-E5の描写力

猫撮影で肝心なのは、表情を引き出すまでの距離感と、毛並みの質感を失わない描写力です。X-E5はAFの追従性と画像処理のバランスが良く、猫のちょっとした仕草や目の動きに素早く反応しました。結果として、瞬間的な表情をしっかり捉えた写真が増え、スナップの説得力が高まりました。
表情・仕草・距離感を自然に記録できるAF性能

路地を歩いていると猫は突然方向を変えたり、目を細めたりします。その一瞬に合わせてシャッターを切るにはAFの精度が不可欠です。X-E5の瞳AFは屋外の自然光下でも安定しており、猫の小さな動きにもついてきます。特に半目やうたた寝の瞬間、毛先の柔らかな輪郭までも逃さずにピントが合うため、失敗写真が減り撮影のテンポが上がりました。
柔らかい毛並みと光の階調表現

毛並みの質感はハイライトの扱いとシャドウの潰れに大きく左右されます。X-E5は中間調の繊細さを残しつつハイライトの飛びを抑える傾向があり、逆光や木漏れ日の中でも毛の一本一本がしっかり描写されます。RAW現像するとさらに微妙な質感調整が可能ですが、現場で得られるJPEGのままでも毛並みの柔らかさを十分に表現できる場面が多くありました。
シャッター音と猫との“ちょうどいい距離”

シャッター音は被写体の反応に直結しますが、X-E5のシャッターは比較的落ち着いた音色で猫を驚かせにくいのが利点です。静かな路地でそっと撮るとき、カメラの音が猫の動きを邪魔しないことで自然な仕草を引き出せます。カメラの存在が被写体に溶け込み、結果としてより自然な表情が残せるのは旅スナップにおける重要な要素です。
実際に撮れた写真と撮影ポイント

旅の写真で心掛けたのは、猫だけを切り取るのではなく島の文脈を一緒に写すことでした。猫の視線、漁具の錆、波打ち際の反射といった要素を組み合わせることで、ただのポートレートではない「その場の物語」が生まれます。撮影時の細かな工夫が、後から見たときに写真の説得力を生みました。
近づきすぎない猫との距離の詰め方

猫との距離を詰める際は、急に前に出るのではなく体勢を低くして目線を合わせることが有効です。手を差し出さずにじっと待つと猫の方が興味を持って近づいてくることもあります。レンズは焦点距離が中域のものを基準に使い、必要に応じて少し離れて圧縮効果を活かすと自然な構図になります。被写体に圧をかけない距離感で撮ると、リラックスした表情が多く撮れました。
島の自然・海・暮らしをまとめて切り取る方法

猫を主体にしつつ背景の島要素を活かすには、前景と背景のバランスが大切です。路地の奥行きや家の扉、海のラインを意識してフレーミングすると、写真に奥行きと物語性が生まれます。時間帯は朝夕が特におすすめで、斜光が質感を強調し色の深みを増してくれます。人の生活跡を入れることで「島で暮らす猫」というコンテクストが自然に伝わります。
まとめ:X-E5と旅することで知った“撮る喜び”

田代島での数日は、X-E5とともに過ごしたことでただの記録旅行から心に残る時間になりました。数値やスペック以上に重要なのは、カメラと自分の相性です。X-E5はその点で優れており、撮る行為を自然に促してくれる相棒でした。写真を見返したときに風の匂いや猫の愛らしさが蘇るような一枚が残せたのは、このカメラの描写と操作感があったからこそです。
ただ被写体を記録するのではなく、その場の「空気」や時間の流れを写し取ることができると写真は記憶になる。X-E5はその手助けをしてくれる道具であり、旅先での出会いをより豊かにしてくれました。

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